介護の詩/「一億総白痴」/老人ホームでの息遣いと命の灯37/詩境
99歳のお爺ちゃんに「もうすぐ百歳、すごいですね」と言ったら、「何がすごいの?自分で自分のケツもふけないのに」と返されました。そして「人生百年って騒ぐのは、一億総白痴と同じだよ」とも言われました。人生百年は、老後の理想と老後の実際の両方をきちんと理解して語られるべきことなのだと思いました。
「実は、そうだったんですね」って思える、そこに発見や再発見がある、そんな記事を書いていきたいと思います。
99歳のお爺ちゃんに「もうすぐ百歳、すごいですね」と言ったら、「何がすごいの?自分で自分のケツもふけないのに」と返されました。そして「人生百年って騒ぐのは、一億総白痴と同じだよ」とも言われました。人生百年は、老後の理想と老後の実際の両方をきちんと理解して語られるべきことなのだと思いました。
老人ホームで暮らしている認知症の妻を、娘と一緒に見舞う夫。娘が事務的な用事を済ませてロビーに戻ると、父と母は丸テーブルを挟んで黙って座り向き合っていました。娘はその二人の様子を少し遠目に見ています。そして、それを俯瞰しているスタッフ。老人ホームで起きている出来事を毎回「口語自由詩」で伝えております。
老人ホームでの出来事、感じたこと、発見したこと、高齢者の息使いと命の灯を「口語自由詩」にて伝えています。今回は、認知症がどんどん進んでしまった方のことです。病状の進むのが早いなあ...と思っていたある日、きちんと辻褄の合う話を一言して下さいました。その瞬間、以前のその方を想い出して、私は涙を溜めました。
老人ホームでの出来事、感じたこと、発見や再発見したこと、それら高齢者様の息遣いと命の灯を「口語自由詩」にて伝えています。この作品は歩行器を使って歩く姿を映しました。一人ひとりADLは異なるので歩行器を操作する様子も様々ですが、ライダーのような恰好をされている方には若い頃の姿を重ね合わせてしまいます。
仕事は大工さんでした。数々の建築現場で活躍されたようです。その方が認知症になって老人ホームで暮らし始めました。その方は、ある日、ベランダを乗り越えました・・その方にとっては「当たりまえ」のことでしたが、施設管理側にとっては重大な違反行為でした。認知症はそうして理解されないまま、押さえつけられてしまいました。