
介護の詩|人生を抱きしめて|認知症高齢者介助時の指針|詩境
あなた様の認知症がまだ軽かった頃、一緒に街のカラオケルームへ行き、あなた様はサン・トア・マミーを歌われました。覚えていらっしゃいますか?私はよく覚えています。あなた様は今、認知症が進み歌えなくなってしまいましたが、あの時のあなた様を思うことがあなた様の介助の助けになっています。
「実は、そうだったんですね」って思える、そこに発見や再発見がある、そんな記事を書いていきたいと思います。
あなた様の認知症がまだ軽かった頃、一緒に街のカラオケルームへ行き、あなた様はサン・トア・マミーを歌われました。覚えていらっしゃいますか?私はよく覚えています。あなた様は今、認知症が進み歌えなくなってしまいましたが、あの時のあなた様を思うことがあなた様の介助の助けになっています。
認知症は原因と特徴的な症状から分類されていますが、そこに個人の性質と性格、及び環境や社会的要因が影響するので、出現する症状は十人十色です。ここではコミュニケーションツールとして歌で気持ちを返される「明るい認知症」の高齢者様を取り上げました。それはまるでミュージカル劇場(踊りませんが)、介護としては楽しい時間です。
老人ホームに入居しても「いつ死ねるのかしらねぇ...」という思いに心を病んでしまう方もいらっしゃいます。本人は辛い思いのまま日々を過ごし、老人ホームとしても、送り出した家族としても、看過できることではありません。この頁では、そこにある背景の一部を探り、口語自由詩と詩境という方法にてお伝えしています。
私の勤務先の老人ホームで暮らしている、ある高齢者様の気持ちを代弁してみました。その方は、転倒→大腿部骨折/手術→車椅子→歩行器で歩行可能...という経験をされました。「生きるということ」は「生きようとする意志」であり、ならば「生きている限り、生きていることを楽しもう」・・そう、思います。”生きているうちが華”なのです。