(画像はイメージです/出典:photoAC)
セールストークの基本の流れを
実践してみましょう
売りたい商品、
その題材として、全自動コーヒーメーカーを使ってみました。
(画像の出典:photoAC)
販売の環境は、小売店の店頭/お客様が近寄ってきました・・・という環境を設定しました。
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以下が、その商品をセールスする流れです。
1.アプローチ
お客様とコミュニケーションのきっかけをつくりましょう。
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2.ニーズ想起
お客様の心に、言葉の通り、お客様のニーズを想い起こさせましょう。この場合の想定されるニーズは様々です。事例では「コーヒーを簡単に美味しく淹れたい」としました。
ただ、それだけではありません。ギフトを探しているのかもしれませんし、家族に喜んでもらいたいのかもしれませんし、実に様々です。そしてさらに、お客様のニーズのコア(裏のニーズとも呼びます)も同時に探ることが大切です。
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3.解決策・メリット・ベネフィット
①売りたい商品は、そのニーズを解決する”正義の味方”です。
②商品の機能と特性に言及しながら、ニーズを解決してくれる理由を伝えましょう。
③ニーズが解決出来たら起こりえる”ハッピーなこと”について語りましょう。
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4.クロージング
これを使ったら、どのような幸せが実現するのか、ハッピーな未来を伝えましょう。お客様の心に、メリットやベネフィットを想起させるように語りましょう。
これらについての図解と、実践する前の段取りについては、「セールストークの作り方の基本➀段取り」で解説いたしました。
1.アプローチ
(1)ポイントその1・・・クローズドクエスチョン
(画像の出典:photoAC)
「お客様、~していらっしゃいますか?」
「お客様、〇〇~、もうご存じですか?」
「お客様、~したことございますか?」
・・・というように、お客様へのアタックの最初は、お客様の気持ちにご負担をかけないように、クローズドクエスチョンを使いましょう。
クローズドクエスチョンで問われると、人はついつい返事をしてしまいます。なので、会話のきかっけを作りやすいです。
これは鉄則です。店頭セールスでも、営業の商談でも、皆同じです。
ex:「お客様、コーヒーを美味しく召し上がっていらっしゃいますか?」
ex:「お客様、コーヒーを、美味しく、しかも簡単に淹れる方法、もうご存知でいらっしゃいますか?」
ex:「お客様、この全自動コーヒーメーカー、ご存知ですか? もうお使いになっていらっしゃいますか?」
・・・クローズドクエスチョンの利点は、問われたお客様は返答の内容を説明しなくてもいい、ただ「うん」とか「いいえ」とか、首を縦(Yes)か横(No)に振るとかすればいいことです。なので、お客様に心理的な負担をかけることはありません。
ということは、お客様が、その場に立ち止まっていられる時間が長くなる・・・つまり、売り手としては、アタックする時間をいただけるということにつながっていきます。
・・・もしも「全自動コーヒーメーカーはいかがですか?」とオープンクエスチョンに問いかけると、問われたお客様は、何かしらの語句を使って文章で返さななくてはなりません。
これは心理的に面倒です。なので、多くの場合、チラッと見ただけで立ち去っていってしまいます。この結果は「いかがですか?」というセールストークを冒頭に使う場合のデメリットにも同じようなことがいえます。「いかがですか?」は返答に説明を要する面倒さがあるからです。
(2)ポイントその2・・・共感
クローズドクエスチョンで問いかけた時、お客様の反応/返事に対して。
もしも、お客様の反応/返事が「YES」なら、笑顔で、例えば「そうですよね」とか、「実は私もそうだったんです」と、共感しましょう。
もしも、お客様の反応/返事が「NO」なら、たとえ「NO]でも、例えば「そうですよね、そんなこと、思いませんよねぇ~」と、共感しましょう。
(※後者の場合、会話が途切れてしまうように思うかもしれません。でも大丈夫です。その後のコミュニケーションをつないでいくための話術があります。それについては別の記事ご紹介いたします。)
お客様のご返事が「NO」でも共感する?・・・
???と思うかもしれません。これでいいのです。
人は、自分のことを分かってくれる人がいたら嬉しいのです。自分のことを分かってくれて共感してくれた人には好感度があがるのです。
すると、警戒心(「買わされたら嫌だ」という気持ち)は緩みます。そして、お客様の耳は聴く耳へと開いていくのです。
2.ニーズ想起
(1)ポイントその1・・・お客様の感情に訴える
ex:「朝、まだ眠たいのに起きて、コーヒーを淹れるのって、けっこう面倒ではありませんか?」
・これはクローズドクエスチョンです。面倒という感情に訴えましょう。
・面倒だから、朝はいつもインスタントコーヒーというお客様には、「忙しい朝でも、美味しい淹れたてのコーヒーを味わえたら、幸せだと思いませんか?」とつないでいきます。
ex:「ベッドの中で「美味しいの淹れてね」なんて言われたりして・・・新婚ならいいんですけどね、いつも新婚でいられるものではありません。いろいろ仕事を抱えている忙しい朝なんかにそんなことを云われたら、イライラってしたりしませんか?」
・これもクローズドクエスチョンです。イライラという感情に訴えています。
ex:「お湯を沸かして、豆を挽いて、それからドリップ。それもいいですよね。でも、朝は忙しいでしょう? 忙しい朝に、コーヒーの美味しさを味わうこと、できていらっしゃいますか? 気持ちに余裕があればいいけど、いつもっていうわけには、なかなかいかないんじゃあないですか?」
・ニーズを想起させます。
・「そろそろ、インスタントからは卒業しませんか?」という誘導も、インスタントから卒業した後の未来を想起させるので、ニーズ想起につながります。
ex:「 忙しい朝に、黙ってスッーと、美味しいコーヒーを味わうことができたら、嬉しくおもいませんか?」
・ハッピーな未来を想起させます。これ、実はクロージングのひとつです。セールスの途中に、このようなミニクロージングを入れて、お客様の反応を見ながら、セールスに強弱をつけていきます。セールストークの実際は、お客様の顔を見て現場で作るものだからです。
(画像の出典:photoAC)
ex:「忙しい朝に、お湯を沸かし、豆を挽いて、コーヒーをドリップするなんて・・・忙しいのに、さらに忙しくしているだけではありませんか?」
・「もう、忙しい思いをしたり、イライラしたり、しなくてもいいんですよ」という未来につなげていきましょう。
(2)ポイントその2・・・今/過去と未来を比較する
①全自動コーヒーメーカーが無い今の状態が(今/過去)”どれほど惨めで不幸せなものなのか?” その状態を強調してお伝えします。(”惨めで不幸せ”なんていうような、そういう言葉を実際には使いませんが、そういうつもりでトークしてみましょう”)
そして、
全自動コーヒーメーカーを使うことが (未来) ”どんなにハッピーなものなのか?” ここは、あえて美辞麗句を並べてかまいません。聴く方が心地よくなるような言葉を選びましょう。
過去と未来、各々を比較しながら、お客様の感情に訴求するトークをします。
今/過去の話には、「忙しくさせている」「時間がかかっている」「味が日によって違う(美味しく淹れられない日もある)」「不経済だ」「睡眠時間をとられている」という負の状況をトークし、
未来の話には、「幸せ」「ハッピー」「笑顔」「家族も喜ぶ」「効率がいい」「便利」「経済的だ」などの今/過去を改善させた”素晴らしい未来” をトークします。
こういう話し方は、実は、自然にできている場合が多いです。でも、セールストークの場合は、この”過去と未来との行き来”を、お客様の反応を見ながら、意識しておこなうのです。
お客様の反応を見ながら、過去と未来を意識してトークする、それが大事です。
②その時、お客様が今の状態を「くやしい」とか「不満」だとか思って、それを解決したいと思わせることが、トークの肝になります。
つまり、お客様に、それとなくストレスを与えるのです。これがニーズを想起することです。
「お客様、本当に、これから先もずっと今の状態のままで、いいんですか?」
すると、お客様は、今/過去の状態を、解決したくなっていきます。
3.解決策・メリット・ベネフィット
そこで、解決策を提示します。
解決策≒売りたい商品です。
なので、商品はニーズを解決する ”正義の味方” なのです。
ex:「朝は、コーヒーの香りで目がさめるんですよ。リッチでおしゃれな気分になりませんか?」
・質問形式はクローズドクエスチョン。内容はハッピーな未来。
ex:「ベッドの中で奥様と 「ねえ、あなた、先に起きてコーヒー淹れておいてよ」「えー! 今日も? いつも俺ばかり。たまには交代しようよ」「けち! 前はそんなことなかったのに!」「わかったよ・・・」・・・なんていう会話、もうしなくてもいいんですよ。・・・・二人一緒に、美味しいコーヒーの香りで、目覚めてください」
ex:「そんなステキな朝が、今日明日だけではありません。1年365日、毎日ですよ、お客様。ですからね、気持ちにも余裕が出てきます。でsからね、お仕事やご家庭のことも、今よりももっとうまくまわって、人生、ハッピーになる! 素敵でしょう!」
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お客様から「ほんと?」「どうして?」「うっそー!」なんて声が出たら、しめたものです。何故なら、お客様に興味が沸いた証拠だからです。
なので、スタッフのあなたは「なぜなら~」と製品の機能特性、メリットを、じっくりとお伝えして下さい。先に説明しました、”惨めな過去”と”ハッピーな未来”を混ぜながらです。
すると、お客様から質問が飛んできます。
この質問がとても大事です。なぜなら、お客様のニーズや、ニーズのコア、お客様の生活環境・・・いろいろなことが分かるからです。
もしも、お客様から「ほんと?」「どうして?」と質問がなければ、スタッフのアプローチが下手だったということ、または話しべたなお客様だということです。
そこを見極めて、アプローチが下手だったという判断をしたら、またクローズドクエスチョンから入り直しましょう。
やりとりには、いつも共感を意識し、「うなずく」「ぺーシングする」「ミラーリングする」「オーム返しをする」を多用しましょう。
大切なこと
お客様の関心は、その製品を買って、自分は、家族は、笑顔になって幸せになるのかどうかです。
言葉を変えれば、得をして、損をしないっていう安心を得ることができるか否かです。
それらの確証を得ることができれば、お客様はクレジットカードを使ってでも買ってくれます。キーワードは、”笑顔”、”幸せ”、”安心”です。
4.クロージング
締めくくりはクロージングです。クロージングに決まり文句はありません。
機能特性やメリットの説明の段階で、製品がお客様のニーズを満たして、お客様の心に素晴らしいハッピーなベネフィットをイメージできるように持っていければ、そのやりとりの中から、クロージングの言葉を探すことができます。
お客様が求めることの中には、こんなニーズもあったりします。
ex:「あら、あなた、いい買い物したのね」とか、「おとうさん、さすが! 目利きがいいね。いいもの買ってきてくれてありがとう!」・・って言われたい。
・これは無意識ですが、自尊心を高めたいという隠れたニーズです。
そして、そのコーヒーメーカーによって、朝食の支度が楽になり、結果、家族みんながハッピーになるという表のニーズが、もちろんあります。
それらがイメージできるように、トークしていきましょう。
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「もう朝の忙しい時でも、ゆっくりと美味しいコーヒーをのめるぞ。一度に5人分淹れられるから、みんなの分も一度にできる。みんなで揃って、”いただきます!” って、しような!」
たとえばそんなことを、お客様にイメージできるようにしてさし上げること、それがセールストークです。
機能特性や使い方の説明は、それからでも遅くはありません。
各々を実践して体得していって下さい。
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今日も明日も、いい日でありますように