(画像はイメージです/出典:photoAC)
「もしも~」
使っていますか?
「もしも~」という接頭語は、人の気持ちをいろいろ動かしてくれる、とても使い途の広い言葉です。
「もしも、ここに橋を架けたら、みんなの生活がもっと楽になるよね」
「もしも、恋人ができたら、ああしてこうするんあだぁ♡ いい人いないかなァ」
「もしも、宝くじがあたったらさぁ~」
というハッピーな未来を描くこともできれば、
「もしも、まだ彼が生きていたらなぁ、喜ぶだろうになぁ」
「もしも、あの時、ああしなければ、今頃はこんなはずじゃあなかったんだ・・」
というような、過去を惜しんだり、後悔する時にも使います。
さらに、
「もしも〇〇試験に合格したら、□□してあげるね」「えー!ほんと!よーし、頑張ろう!」
「もしもこの薬を開発できたら、世界中で苦しんでいる人達が助かるんだ」
「もしも~」が、力強いモチベーションになってくれることもあります。
そして、
「もしもここに店を出したら、人の動きはこうなって、売上は・・・」
「もしも、このパソコンを買い替えたら、これあげるね」
「このカレー、もしもパイナップルを入れたら、もっと美味しくなると思わない?」
今、この瞬間にも、「もしも~」は使われています。
人は、「もしも~」を考えるのがとても好きなようです。「もしも~」はとても日常的な言葉であり、言葉に出さなくても頭の中の大切な思考のための道具です。
ならば、
「もしも~」を営業や販売のセールストークにも、使えるのではないでしょうか?
実は、
「もしも~」はセールストークにとって、とても有効な言葉です。
なぜなら、
「もしも~」を上手に使うことによって、お客様の価値感を揺さぶり、「買わない!」って最初は言っていたお客様が、トークによって「これ、ください」と言っていただけるように、お客様の価値感を変えていくことができるからです。
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【「もしも~」を活用したセールストーク。否定されても売る技】
最近、土鍋を店頭で売る機会がありました。お題は「土鍋でご飯を炊こう!」
秋に向けて新米が発売され、また新しい品種のお米も発表されるでしょうから、とてもいい企画ですね。
土鍋炊飯は、通常ガス火で炊きます。IHのご家庭には、ステンレス発熱プレート/ステンレス発熱板を土鍋の底に敷くことによって、土鍋はIHにお使いになれます。
どちらにしても火加減の調整が必要で、時計とにらめっこしながら炊きます。面倒は面倒なのですが、上手に炊けた時のご飯の美味しさは、土鍋ならではの美味しさがあります。ご飯を土鍋で炊いている高級料亭もあるくらいですから、総じて電気炊飯器よりは美味しいのでしょう。
電気炊飯器のセールスコピーによくある「本物の土鍋炊飯の味!」は、電気炊飯器よりも土鍋炊飯の方が ”本物” であり、”美味しい”という証拠ですね。
でも、難点は重いこと。多くのお客様が、「重いからやめとくわ」です。既に電気炊飯器の便利さを知っているから、しかたがないのかもしれません。
その土鍋を店頭で売るのです。
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その時に「もしも」を使ったセールストークでお客様の心を掴みます。こんな感じです。
【「もしも~」の使い方】
「そうですよねえー、重いですよねー。ただ、お客様。よーく考えてみて下さい。もしもですね、もしも、軽い土鍋だったら、その土鍋、どんな鍋になると思いますか? 」
「軽いっていうことは、調理するお料理は美味しくないんですね。なぜなら、軽くしようとすると、薄くて、でも強度を出さないといけないから土の密度が高くて、この土鍋のような蓄熱性や、水分を吸ったり出したりすることとはできないでしょうね。きっと、美味しいご飯は炊けないと思いますよ」
「お客様、この重さがあるから、美味しいご飯を炊くことができるんです。お客様は美味しいご飯を、召し上がりたいですよね」
「もしも~」の使い方と効果
① お客様の望む事を仮定することによって、
② その時に起こり得るデメリットを提示することができて、
③ お客様が望んでいらっしゃることを現実にしたら、お客様がより強く望んでいらっしゃること(美味しく炊けること)は実現できませんよ・・とやんわりお伝えすることができます。
つまり、
「もしも~」をトークに
挟みこむことによって
お客様の価値感に
揺さぶりを
かけることができます
さらに、こう続けます。
「もしも、重たいからといって、この土鍋を買うことをやめてしまったら、お客様はこの先、一生、土鍋炊飯の美味しさを、逃がしてしまうことになってしまいますけど、それでもいいですか?」
「お客様は、さっき、うちの炊飯器よりももっと美味しくたけるのが欲しいって、言っていたじゃあないですか。お客様の、その思い、ここで、実現しましょうよ」
お客様の土鍋選びの基準(重くないこと)が、グラグラグラと、心の中で崩れていきます。
そして、思います。
美味しく炊けるほうが
いいわよね。
「じゃあ、これ、ください」
(画像はイメージです/出典:photoAC)
「もしも~」を使う
セールストークのポイント
①「もしも~」でお客様が望んでいることを仮定して、
②それを現実にした場合のデメリットを示して
③ そのデメリットは、お客様が望んでいることからかけ離れていることを示す。
「もしも~」で、お客様の ”商品選びの価値基” に揺さぶりをかける、試してみて下さいませ。