小売りは経済活性化の源/お客様の幸せを願う「経済の最終ランナー」


(画像はイメージです/出店:photoAC)

What  is  小売り? 

考えたことありますか?

(私が実践で得た成果を基に書いています)

就職活動の時期、会社にインターンシップの学生さん達がいらっしゃいます。私は何度か、その学生さんたちに喋る時間を頂くことがあり、彼彼女らにこのような質問をしてきました。

What  is  小売り?(What  is  retailing? )

彼彼女らは、就職先の候補企業として訪れ、インターンシップとして参加しているわけですから、せめて定義らしい文言でもいいから彼彼女らの口から聞いてみたい。それが彼彼女らの「小売りという仕事」に対する意欲の表れだと、私は思ったのです。そして、凡そ、次のような返事をいただくことができました。

商品を仕入れて、そこに儲けを乗せて、消費者に売る・・・そういう仕事です

おおよそ、その通りです。色々あたってみても、似たような解説で溢れかえります。

でも、本当にそれだけですか? 本当に、それだけのことで、意欲的に働く気持ちになれるのですか? それで、お金はもうかるのですか? 小売りの仕事に何を求めているのですか?

この頁では、「小売業とは何なのか? どんな仕事なのか?」について解説したいと思います。

きっと、こんなふうに小売の仕事を考えている人は、あまりいないと思います。それでいいのです。だからこそ、それを知った時に、目は見開き、そこに再発見があるのです。

さらにまた、そんな問いかけは愚問だと思う人もいるかもしれません。「小売りの仕事なんて単純だ」と言うかもしれません。でも、もしも単純だとしたら、単純だからこそ大切なのです。単純なものの中にこそ、忘れてはならない大切なものが隠されているのです。

これから就職先として小売業を考えている学生さんたち、そして既に小売業で働いていらっしゃる方々への、さらなるモチベーションアップに繋がれば幸いです。

☆ What is 小売り? ・・・商品が生まれるところから、なぞっていきましょう。

1.商品は情熱の発露。

どのような商品も、「誰かの役にたちたい」、「世の中のためになりたい」・・・そういう思いで考えられ企画され、そして作られ、世の中に生まれています。

なので、商品というものは、100円のものであろうと一万円のものであろうと、そのニーズの多い小さいとかにも関係なく、「人のために、世中のために」という情熱の発露が形になった結果なのです。

2.情熱の発露を流通させるのはメーカの責務。

企業が存続する価値の大きなひとつは社会貢献です。企業は、人々のためになる、世の中のためになる商品やサービスを作り出し、社会に様々な形のメリットやベネフィットを提供する責務があります。そしてさらに、それらの商品を、きちんと流通させる責務があります。

3.流通させるために奔走する、メーカーの営業スタッフ。

営業と販促は、社会にメリットを提供するために活動をするわけですから、とても意義のある仕事です。

逆をいえば、上手く営業できなかった時は、商品のメリットを流通させることができなかったということ、・・・残念ですね。(残念なのは営業スタッフ本人だけではありません。実は、まだそれを知らないお客様にとっても残念なことなのです)

なので、残念な思いをしなくて済むように、営業や販促のスタッフは、商品が有している〔提供価値〕をきちんとお客様に説明して、さらにお客様が商品を手にすることによって得ることができる〔メリット〕そして〔ベネフィット〕に至るまで、きちんとイメージできるように説明しないといけません。

なので、営業や販促のスタッフは、販売コミュニケーションのノウハウをきちんと学習して身に付ける必要があるのですね。

4.流通の現場を奔走する配送スタッフ

商品は、商品が店に届けられるまで、いろいろな仕事に支えられています。最も大事なのは配送です。配送スタッフは商品を指定した場所にきちんと届けるために東奔西走しています。現代の小売りを取り巻く環境において、配送はなくてはならない仕事として、小売業を支えてくれています。

5.小売店の責務

さあ、いよいよ ”小売り” の登場です。商品が企画されてから、⇒ 開発 ⇒ 製造 ⇒営業宣伝 ⇒ 配送 ⇒ ・・・小売り店

小売り店では、商品を陳列し、商品を説明して、時には使って見せて、お客様に商品が有している〔提供価値〕、そして〔メリット〕から〔ベネフィット〕に至るまで、きちんと説明をする責務があります。

そうしてお客様にご納得と安心をしていただけたとき、お客様は商品の対価を払うのです。

6.対価が経済を回します。

対価という売上金は、仕入先様に仕入代金として支払われ、それ以外は店の経営資金に使われます。仕入先様に支払われた代金は、理論上、配送業者、販売代理店、メーカーへと分配されます。” 商品を売る” という行為によって、お金がいろいろなところで回り、経済が活性化していきます。

ということは、

小売りのスタッフは、お買い上げいただけるお客様と共に、経済活性化の源、言葉を変えれば、経済の最終ランナーなのです。

経済の最終ランナーなのですから、諦めたり、立ち止まったり、くたばったり・・・、してはいけません。もしも、そうしたら、経済は不活性のまま沈滞してしまいます。

・ここまでの話を図にしてみました。

(図は筆者作成)

小売りの仕事は、

お客様に〔提供価値〕〔メリット〕〔ベネフィット〕をご提供してお客様に幸せになっていただき、そして、その対価を得ることによって経済社会を回していく〔経済の最終ランナー〕なのです

ひとつひとつの取引(お買い上げ金額)は小さいものです。大海の一滴かもしれません。でもそのひとつひとつが集まって大きなお金になり、経済社会の礎を築いていくのです。

販売コミュニケーションのノウハウを学び、お客様のため、経済社会活性化のために、誇りを持って、今日も頑張って取り組みましょう。