私、COPDの診断をいただいてから8年になります。
私にかつてどのような症状があり、どのような経緯を経てCOPDと診断をされ、そして、どのような治療をおこない現在に至っているのかについて、ここに記したいと思います。
今、咳が止まらない人、COPDという診断をされて不安になっている人、今、煙草をスパスパ吸っている人(原因の95%は喫煙だと主治医から言われました)、そのような方々に少しでもお役に立てたら幸いです。
1.咳の出始め~頻繁に出るまで
〔症状の発現〕
時々咳き込んで、少し変だなと思い始めたのは2007年頃。私は東急ハンズの広島店で採用と研修、人事会計全般を担当していたのですが、採用面接で面接官として喋ろうとする時、それから電話応対の時、特に咳が出るようになりました。・・・これは緊張のせい? ストレス? と思いながら約2年経過。その症状の出現が春と秋に多かったので、季節の変化と仕事のストレスなのだろうと、自己判断していました。
2009年4月に東京へ単身赴任。咳は時々ありましたが気にすることもなく過ぎていきました。当時喫煙はショートホープ。禁煙しなきゃあと思いつつ控えめに吸っていたので、2日で1箱(10本入)くらいのペースでした。
大きな異変に気がついたのは1年後です。
2010年6月頃、健康増進を目標に早朝ランニングを始めました。ところが・・・、500m位走った所で、息があがるのです。ハアハアハア・・・。そして、深呼吸をしようと大きく息を吸い込もうとするのですが、息が肺の中に入っていかないのです。体は酸素を欲していて、新鮮な空気を沢山取り込みたいのに、吸っても入っていかない・・・。苦しく感じながらトボトボと歩き、時間の経過を頼りに、少しずつ走る前の状態に戻していきました。なので、翌日からは、少し走っては歩き、少し走っては歩く・・・、家の周辺をぐるりと1周して終わり、という程度でお茶を濁していました。
その頃からです。煙草を吸うと咳きが出るようになり、一気に咳の症状が悪化しましたのは。
2.診察~セカンドオピニオン
〔2件のクリニックで受診〕
7月になり、咳がひどくなり、勤務先(渋谷区)の近所のクリニックで診察を受けました。
「ストレスでしょう。いちおう抗生剤を出しておきますね」
調剤薬局では市販の薬も置いてあり、店員さんが「これも飲んでおく?元気でるわよ」といいながらビタミン剤をくれました。時間帯は夜であり、いかにも渋谷らしいなァ・・・と思いながら・・・なんとなく咳は止まったように思いました。
でも、数日後の夜、今までにないひどい咳。夜中に自分の咳で起きてしまったのです。苦しくて苦しくて、だんだん胸が痛くなってくるほどでした。
翌日、またまた渋谷の、先のクリニックとは別のところへセカンドオピニオンを求めました。
「ちょっと喉が赤いかな。ストレスでしょう。いちおう抗生剤を出しておきますね」
・・・昨晩の咳のひどさから、喉が赤いのだ、と私は秘かに思っていました。
咳はとまりません。私はネットで調べた民間療法、そして市販の咳止め、いろいろ試しました。でも、どうにもとまりません。特にひどいのは、喋ろうとするとき、それから、夜布団に入ってからでした。このままでは仕事もできなくなる・・・。
3.サードオピニオン「呼吸器専門医」で診察を受ける
どうして気がつかなかったのか・・というより、自分に知識が無かったわけですが、これが正解でした。最初からここにすればよかった。今、これを読んで頂いていて病院を選択されている人は、最初から呼吸器専門医で受信することをお勧めいたします。
〔実際の診察内容〕
1.問診。聴診器。触診。
2.レントゲン。
3.掃除機のパイプみたいなものを口に加えて、一気に息を吐き出す検査。
4.再度、問診。
先生:「COPDですね」
私 :「えっ? COPD? なんですかそれ? (PDCAなら知ってるけど・・)」
先生:「慢性閉塞性肺疾患。加藤さん、煙草吸っているでしょう」
私 :「は、はい」
先生:「原因の95%は煙草ですからね、直ぐに止めてください」
私 :「もし、このまま吸い続けていたら、どうなるんですか?」
先生:「鼻にチューブを入れて、ボンベを引きながら歩いている人、いるでしょう。同じようになりますが、なりたくはないでしょう」
私 :「は、はい。先生、これ、直るんですか?」
先生:「直りません。今以上に症状を悪化させないようにします。これ、出しますね」
私 :「ありがとうございます」
先生:「レントゲンには異常はないし、たぶん気管支の内壁が硬くなっているんでしょう。だから、ランニングをして体が酸素を欲しがり、気管支を広げようと思っても硬くて広がらないから苦しいんですよ」(気管支の輪切りの模型で説明していただきました)
そして、アドエアを処方していただきました。これです。
朝と晩に、吸入します。これひとつで30日分。とりあえず、1個いただきました。
こんなふうに横にして、手前の穴を口に加えて、中の薬(粉末)を一気に吸います。そして、息を止めること数秒。そして息を吐き出します。その後、必ずうがいをして、喉の周りに張り付いている薬剤を取り除きます。これをしないと、喉が少し痛くなったりします。
1日で咳はとまりました。
・・・私は専門医の素晴らしさを実感しました。問診の内容、検査の方法、渋谷で受診した2件のクリニックとは全く異なっていました。
【専門医の調べ方】
・専門医であるか否かは、ネットで○○専門医と入力すればおおよそヒットします。私が探したのは、これです。
ここで、自宅から近い医院を訪ねました。
3.1ヶ月後~
聴診器をあててもらいました。
先生:「だいぶ収まったね。煙草、ちゃんと止めた?」
私 :「もちろんです」
その日は、アドエアを2個(2か月分)処方していただきました。
・1個はきちんと30日継続。それで、初診の時から2ヶ月間の継続。その後、1個はとっておいて、なんとなく肺がイガイガして、肺の奥から咳が上がってきそうなときだけ、3~4日継続して吸引。他の日は、使わないようにしました。(これは自己判断)
・そして、おおよそ、春と秋に1回ずつ受診して聴診器をあてて、肺の音を聞いてもらっています。
・3年くらい経過してから、先生の勧めで薬をレルベアに変更。レルベアは1日1回の吸入で24時間効果が継続するのです。なので、朝だけ。これも、吸入用です。
4.現在
先生に聴診器をあてていただくのは、春と秋の年2回くらい。それ以上空くときもあるのは、体調がいいからです。そして、受診時にはレルベアを2個いただきます。少し調子が悪いな・・・っていう時だけ、吸入しています。
煙草はCOPD発症の可能性を高めるそうです。私は、このおかげで煙草をやめることができました。
きっと、私がなかなか煙草をやめないから(自分の体と話し合いをもたなかったから)、体の方から、「もう煙草は止めて!」って、言ってきたのだと思います。
体をいたわってあげること、大事ですね。
明日もいい日でありますように。
〔追記〕2020.7.29
体調によるのだと思いますが、ほんのたまに咳が続いて胸が苦しくなることがあります。レルベアには即効性は無いのですが、その時に吸引します。それで落ち着きます。たぶん精神的な疑似効果ですね。そして翌日から3~4日、レルベアを続けます。そうして、それでおしまい。2~3か月か数か月か、何事もなく過ぎていきます。
なので、おおよそ年に2~3回くらい、今では主治医となった呼吸器専門医に行って、聴診器を当ててもらっています。先生はいつも言います「う~ん、まだ少し音がするね」・・・そして、レルベアを1個処方していただいて帰ります。レルベアは湿気に弱いので(粉なので)、取説には開封後1ヵ月以内に使うようにと書かれています。1個が1日1回の吸引で30日分なので、丁度1ヵ月分です。でも、私は、3~4日で止めているので、使い切ったことはありません。
まあ、仲良くやっているという感じです。ただ、コロナは持病持ちは重篤になる可能性が高いそうなので、ちょっと不安。なので、免疫力を高める食事を心掛けています。