
介護の詩/人生は順送り/老人ホームでの息遣いと命の灯60/詩境
先日は、歩行器を使ってトボトボ歩くお婆ちゃんが「順送りだから、しかたがないか...」と口にされていました。私は、久しぶりに耳にする「順送り」という言葉に昔を思い出し、感慨深くなりました。同時に、どうせ死んでいくのなら、順番なんか関係ないのに...とも思いました。この作品は、その時の、私の心の動きを言葉にしたものです。
「実は、そうだったんですね」って思える、そこに発見や再発見がある、そんな記事を書いていきたいと思います。
先日は、歩行器を使ってトボトボ歩くお婆ちゃんが「順送りだから、しかたがないか...」と口にされていました。私は、久しぶりに耳にする「順送り」という言葉に昔を思い出し、感慨深くなりました。同時に、どうせ死んでいくのなら、順番なんか関係ないのに...とも思いました。この作品は、その時の、私の心の動きを言葉にしたものです。
その方は、自分の葬儀の段取りを、度々話してくださいました。そのプランは、「虹の彼方に(オーバー・ザ・レインボウ)」で困難を排除して夢を追い続け、ビートルズの「オブラディ・オブラダ」で「生き続けろ」と勇気を与えてくださるものでした。最期まで凛とされたいた貴方様、ありがとうございました。
認知症の貴女様はリハパン(リハビリパンツ)を手にして「あら、いい帽子になるわね」とリハパンを頭に被りました。驚いたのは私。私が初めてのケアに入った時のことでした。でも、ご家族がお化粧道具を用意したら、貴女様は目覚めました。お化粧に関してだけは認知機能は正しく働くのです。お化粧は貴女様にとって、人生の華だでした。
私の勤務する住宅型介護付老人ホームには、自立の方も沢山いらっしゃいます。いよいよ介護が必要になった時に慌てなくて済むようにとの深慮遠謀からです。そんな中、元数学教師のお爺ちゃんが、微分と積分を人生になぞらえて教えて下さいました。それは人生の羅針盤。私は傾聴し勉強になりました。とても和んだホッとした時間でした。
第82番歌、恋歌に数えられていますが、その恋は長い長い年月の経過が感じられます。だとすると、これは恋歌というより人生歌です。恋に生きてきたけれども叶わぬ恋。現代語訳だけでは分かりづらい解釈を、英訳は見事に分かりやすくしてくれています。この頁を詠めば、英語を学びながら和歌の心を味わうことができます。
〔前作品「死前喘鳴・大涅槃図」の 続きです。奥様のお骨箱は残された夫の隣に置かれました〕:ご夫婦で老人ホームに暮らしていても、人生の無常はどちらかを先に旅立たせます。この作品は、先にご逝去された奥様による、老人ホームに独り残された認知症の夫へのラブレターです。事実を素材にして、他界された奥様の視座に立って書きました。
ご夫婦で住まわれていて奥様が先にご逝去されました。看取り介護の最後の日の出来事です。それは死前喘鳴から始まりました。この作品では、視座をご本人様とスタッフである私と、ブロック毎交互に置きました。ご本人様の部分は事実を元にした私の想像、他はノンフィクションです。ご本人様を取り囲むご様子は、まるで大涅槃図のようでした。
東京都がカスハラ防止条例を制定をするそうです。実は、私もカスハラ被害を経験してきた一人です。この記事は、私の40年間の小売経験の中から、印象に残っているカスハラ事例・その体験と、実際におこなっていたカスハラ対応策を記しました。お客様は神様ではありません。お客様と店スタッフは、物やサービスを取引する対等な立場なのです。
彼と一夜と共にしたのに、彼はずっと愛していると言ってくれたのに....彼の本当の心が見えない。嗚呼、乱れた黒髪のように心も乱れてしまう・・という歌なんですね、これ。さて、それをどうやって英訳すればいいのでしょうか。難解は古文の和歌でも、英訳することで意味が明確にわかります。味わってくださいませ。
自立の方が転倒をきっかけに自立を喪失していく場合があります。転倒→入院→ADLの低下→車椅子。中には認知機能低下の事例もあります。家族はショックです。そんな時、老人ホームは役に立ちます。老人ホームは自宅介護では困難なことにも対応してくれる終の棲家だからです。車止め、どん詰まりですが一息入れられる場所でもあります。